「資料」カテゴリーアーカイブ

[神紋] 七宝紋

七宝紋(しっぽうもん)

七宝とは、仏教において貴重とされる七種の宝のことをさします。

七宝繋紋
七宝繋紋

これらの紋を神紋として使っている神社

  1. 七宝繋紋 ・・・ 伊那下神社(静岡県松崎町)

自己流Illustratorでの書き方

巴紋はコンパスと定規で簡単に書くことができます。
Illustratorで書く場合は、下記の様な手順で書くことができます。

1. 七宝繋紋

七宝繋紋

1. Illustratorで、500px × 500px のカンバスを作成する
2. 500pxの円を引く
3. 円を選択し、 オブジェクト>パス>パスのオフセット からオフセットした図形を引く
オフセット -40px 角の形状 マイター 角の比率 4
4. オフセットで作成した円と合わせ、2つの円をグループ化する。

5. オブジェクト>変形>移動からグループ化したオブジェクトをコピーする
①水平 -249px 垂直 -249px
②水平 -249px 垂直 249px
③水平 249px 垂直 -249px
④水平 249px 垂直 249px

6. すべてのオブジェクトを選択し、パスファインダーで分割、必要な部分を合体させる。

7. 合体してできたオブジェクトを、カンバス外に退避させる。

8. 200px x 200px の四角を引く

9. 四角の角と角を結ぶ8pxの線2本を引く
10. 四角を4分割する様に8pxの線を2本引く

11. 四角を4分割する様に引いた線を左右上下に25pxで移動コピーし、格子とする。

12. 直線のパスを選択し、オブジェクト>パス>パスからパスをアウトライン化する。

13. 一番外側の直線がぶつかる点を始点として、3pxの直線を2本引く。

14. 引いた2本のパスを選択し、オブジェクト>パス>パスからパスをアウトライン化する。
15. さらにオブジェクト>パス>パスからパスをオフセット 3pxオフセットする。
16. 中心部分に太さ3pxの線で22pxの円を引く
17. 線のパスを選択し、パスをオフセット 3pxオフセットする。

18. すべてを選択し、パスファインダーからパスを分割する

19. 必要ないオブジェクトを削除、残ったパスを合体させる。

19. オブジェクトを-45度回転する。
20. オブジェクトを95%に縮小する
21. カンバス外に退避したオブジェクトを戻し、パンバスの中心に配置する。

[神紋] 梅紋

梅紋(うめもん)

梅紋は、菅原道真公とは切っても切れない紋。
菅公を祭る天満宮などでは必ずと言っていいほど見かけるものである。

梅鉢紋
梅鉢紋

割梅鉢紋
割梅鉢紋

星梅鉢紋
星梅鉢紋

捻じ梅紋
捻じ梅紋

裏梅鉢紋
裏梅鉢紋

これらの紋を神紋として使っている神社

梅鉢紋[東京都中野区] 打越天神北野神社(中野)
[静岡県西伊豆町] 天満宮(小田瀬)
星梅鉢紋[静岡県松崎町] 天神社(建久寺)

自己流Illustratorでの書き方

巴紋はコンパスと定規で簡単に書くことができます。
Illustratorで書く場合は、下記の様な手順で書くことができます。

1. 梅鉢紋
2. 割梅鉢紋
3. 星梅鉢紋
4. 捻じ梅紋
5. 裏梅鉢紋

梅鉢紋

1. Illustratorで、500px × 500px のカンバスを作成する
2. 185.25pxの円、長さ 500px 角度 90度の線を引く

3. すべての図形を選択し、「水平方向中央に整列」、「垂直方向上に整列」にし、カンバスの中央に配置する
4. 直線を選択し、メニュー【オブジェクト>変形>回転】でオブジェクトの回転を選択 角度18度で コピー を 2回行う

5. 3本の直線と小丸を選択し、グループ化する
6. グループ化したオブジェクトを選択し、メニュー【オブジェクト>変形>回転】でオブジェクトの回転を選択 角度72度で コピー を 4回行う

7. 400pxの円、195pxの円、70pxの円を引き、中央に配置する

8. ペンツールを使用し、直線と195pxの円の交点を使用し、五芒星を引く

9. 外周に配置された185.25pxの円、5個をグループ化し、レイヤーの部分で不可視にする

10. 可視状態のオブジェクトをすべて選択し、パスファインダーで分割する
11. 中心部分(梅の額部分)を作るため、細分化されすぎたオブジェクトをパスファインダーを使用して合体させる。
12. 余計なオブジェクトをすべて削除する

13. 中心部分(梅の額部分)を選択し、 オブジェクト>パス>パスのオフセット からオフセットした図形を引く
オフセット -1px 角の形状 マイター 角の比率 4

14. オフセットした線を残し、外周部分になっている元々のオブジェクトを削除する

15. 不可視にした円を可視にし、すべてのオブジェクトの色を反転させる

割梅鉢紋

1. 梅鉢紋 の作成手順に従い、梅鉢紋を引く
2. 250pxの円を描き中央に配置する

3. 250pxの円を用いてクリッピングマスクを設定する
4. クリッピングしたオブジェクトを200%で拡大し、中央に配置する

星梅鉢

梅鉢紋

1. Illustratorで、500px × 500px のカンバスを作成する
2. 185.25pxの円、長さ 500px 角度 90度の線を引く
3. すべての図形を選択し、「水平方向中央に整列」、「垂直方向上に整列」にし、カンバスの中央に配置する

4. 直線と小丸を選択し、グループ化する
5. グループ化したオブジェクトを選択し、メニュー【オブジェクト>変形>回転】でオブジェクトの回転を選択 角度72度で コピー を 4回行う

7. 116pxの円を引き、中央に配置する

8. すべてのグループ化を解除し、直線と外周円のオブジェクトを削除する

9.すべてのオブジェクトを選択し、色を反転させ、グループ化する
10. カンバスの中央に配置する

捻じ梅紋

1. Illustratorで、500px × 500px のカンバスを作成する
2. 230pxの円、長さ 500px 角度 90度の線を引く
3. すべての図形を選択し、「水平方向中央に整列」、「垂直方向上に整列」にし、カンバスの中央に配置する

5. 直線と小丸を選択し、グループ化する
6. グループ化したオブジェクトを選択し、メニュー【オブジェクト>変形>回転】でオブジェクトの回転を選択 角度72度で コピー を 4回行う

7. グループ化を解除し、直線と外周円のオブジェクトを削除する
8. 90pxの円を引き、中央に配置する

9. オブジェクトをすべて選択し、パスファインダーで分割する
10. 細分化されすぎたオブジェクトをパスファインダーを使用して合体させる。

11. すべてのオブジェクトを選択し、オブジェクト>パス>パスのオフセット からオフセットした図形を引く
オフセット -1px 角の形状 マイター 角の比率 4

12. オフセットされたオブジェクトのみを残し、不要なオブジェクトを削除する

 

12. カンバス外にて、88pxの円と30px 90度の線を2本引き、円の上下に直線を配置し、グループ化する

13. グループ化したオブジェクトを選択し、メニュー【オブジェクト>変形>回転】でオブジェクトの回転を選択 角度72度で コピー を 4回行う

14. グループ化を解除し、頂点を起点として72度方向に向かう5本の線以外を削除する
15. 直線パスのアウトライン化

16. 中央部分パーツをカンバス中心に移動

17. 中心部分パーツのガイドとして使用していた円を削除する

17. 花びら部分と上に乗せた直線のアウトラインをパスファインダーでパスの分割を行い、花びらから直線部分を切り抜き、ゴミオブジェクトを削除する

18. 色反転させ、カンバスの中央に配置する

裏梅鉢紋

1. Illustratorで、500px × 500px のカンバスを作成する
2. 185.25pxの円、長さ 500px 角度 90度の線を引く
3. すべての図形を選択し、「水平方向中央に整列」、「垂直方向上に整列」にし、カンバスの中央に配置する

4. 直線と小丸を選択し、グループ化する
5. グループ化したオブジェクトを選択し、メニュー【オブジェクト>変形>回転】でオブジェクトの回転を選択 角度72度で コピー を 4回行う

6. 直線のオブジェクトを削除する

7. 小丸を選択し、 オブジェクト>パス>パスのオフセット からオフセットした図形を引く
オフセット 10px 角の形状 マイター 角の比率 4

8. オフセット図形を削除する元となった丸をグループ化し、レイヤーから不可視にする。

9. すべての可視オブジェクトを選択し、パスファインダーからパスを分割する

10. 中心部のオブジェクト以外は不要なので削除する。

11. 不可視にした丸のオブジェクトを可視に戻し、オブジェクト>パス>パスのオフセット からオフセットした図形を引く
オフセット -5px 角の形状 マイター 角の比率 4

12. オフセット元のオブジェクトを削除し、色を反転、カンバスの中央に移動する

 

[神紋] 菱紋

菱紋(ひしもん)

割り菱紋
割り菱紋

武田菱紋
武田菱紋

三階菱紋
三階菱紋

寄せ三つ菱紋
寄せ三つ菱紋

重ね三階菱紋
重ね三階菱紋

自己流Illustratorでの書き方

菱紋はコンパスと定規で簡単に書くことができます。
Illustratorで書く場合は、下記の様な手順で書くことができます。

1.割り菱紋(武田菱紋)
2.三階菱
3.寄せ三つ菱
4.重ね三階菱

割り菱紋(武田菱紋)

1. Illustratorで、500px × 500px のカンバスを作成する
2. 345pxの四角形を書く

3. 345px (角度 0°)の線 、 345px (角度 90°)線の2本を引き、16pxに太さを変更する
※武田菱紋の場合は線の太さを8pxほどにする

4. 2本の線を選択し、 オブジェクト>パス>パスのアウトラインを実行する

5. すべてのオブジェクトを選択し、「水平方向中央に整列」、「垂直方向下に整列」にする
6. パスファインダーで分割する
7. 線だった部分を削除し、4つの四角のオブジェクトのみとする

8. 4つの四角のオブジェクトをグループ化する
9. オブジェクト>変形>回転 角度:45° とし回転させる

10. オブジェクト>変形>拡大・縮小 水平方向 100% 垂直方向 75% とし変形させる

11. オブジェクトの色を反転させる

三階菱

1. Illustratorで、500px × 500px のカンバスを作成する
2. 313px、242px、188pxの四角形を書く

3. オブジェクト>変形>回転 角度:45° とし回転させる

4. オブジェクト>変形>拡大・縮小 水平方向 100% 垂直方向 75% とし変形させる

5. すべてのオブジェクトを選択し、「水平方向中央に整列」、「垂直方向下に整列」にする

6. 中サイズの四角を選択し、 オブジェクト>変形>移動 で水平方向 0px 垂直方向 -145px で移動させる
7. 小サイズの四角を選択し、 オブジェクト>変形>移動 で水平方向 0px 垂直方向 -270px で移動させる

8. すべてのオブジェクトを選択し、パスファインダーで合体させる
9. 色を反転させる

寄せ三つ菱紋

1. Illustratorで、500px × 500px のカンバスを作成する
2. 多角形ツールにて 半径 95px 辺の数 3で三角形を作画する

3. オブジェクト > 変形 > リフレクト で垂直方向にリフレクトしたオブジェクトをコピーし、元の三角形と並べ、ひし形を作る

4. パスファインダーで2つの三角形を合体させる

5. オブジェクト > 変形 > リフレクト で垂直方向にリフレクトしたオブジェクトをコピーする
6. オブジェクト > 変形 > 回転 で 60度回転させたオブジェクトをコピーする
7. 3つのオブジェクトを組み合わせ、カンバスの中央に配置する

重ね三階菱紋

1. Illustratorで、500px × 500px のカンバスを作成する
2. 313px、242px、188pxの四角形を書く

3. オブジェクト>変形>回転 角度:45° とし回転させる

4. オブジェクト>変形>拡大・縮小 水平方向 100% 垂直方向 75% とし変形させる

5. すべてのオブジェクトを選択し、「水平方向中央に整列」、「垂直方向下に整列」にする

6. 中サイズの四角を選択し、 オブジェクト>変形>移動 で水平方向 0px 垂直方向 -145px で移動させる
7. 小サイズの四角を選択し、 オブジェクト>変形>移動 で水平方向 0px 垂直方向 -270px で移動させる

8. すべてのオブジェクトを選択し、パスファインダーで分割する

9. 重ね菱の形になるようにオブジェクトをパスファインダーで合体させる

10.一番上の菱を オブジェクト>変形>移動 で水平方向 0px 垂直方向 -8px で移動させる
11.真ん中の菱を オブジェクト>変形>移動 で水平方向 0px 垂直方向 -4px で移動させる
12. オブジェクトをカンバスの中央に配置する

[神紋・社紋・家紋] 星紋 一覧

星紋 は、一般には妙見菩薩信仰から始まったと考えられている。
妙見とは「優れた視力」を表し、古来から北極星や北斗七星を妙見としてあがめていた。武士においては、妙見信仰と平将門の伝承を合わせ妙見を武士団の弓箭神とする動きもあり、武士の間で家紋として用いられることとなった。

銀星ぎんぼし

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三つ星みつぼし

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中陰三つ星

丸に三つ星(まるにみつぼし)

石持ち地抜き三つ星

雪輪に三つ星

松浦星(まつらぼし)

徳山三つ星(とくやまみつぼし)

一文字三つ星(いちもんじみつほし)
府中三つ星(ふちゅうみつぼし)

一文字三つ星(いちもんじみつほし)

三つ星に一つ引き

丸に三つ星に一つ引き

一文字三つ星(いちもんじみつぼし)
長門三つ星(ながとみつぼし)

丸に長門三つ星(まるにながとみつぼし)

陰長門三つ星

二文字に三つ星(にもじにみつぼし)

重ね三つ星(かさねみつぼし)

渡辺星(わたなべほし)
三つ星に一文字(みつぼしにいちもんじ)

陰の渡辺星

丸に渡辺星

五瓜に渡辺星

渡辺星に山形

井桁に渡辺星

繋ぎ剣三つ星

剣三つ星(けんみつぼし)

丸に剣三つ星

雪輪に三つ星(ゆきわにみつぼし)

繋ぎ三つ星(つなぎみつぼし)

三つ割剣三つ星(みつわりけんみつぼし)

四つ星(よつぼし)

四つ重ね星(よつかさねぼし)

剣四つ星

五つ星(いつつぼし)

五つ重ね星(いつつかさねぼし)

六曜(ろくよう)
六つ星(むつぼし)

離れ六つ星(はなれむつぼし)
離れ六曜(はなれろくよう)

丸に六曜(まるにろくよう)

六つ重ね星(むつかさねぼし)

七曜(しちよう)
七つ星(ななつぼし)

七曜に木の字(しちようにきのじ)

丸に七つ星

陰七曜

亀甲に七つ星

陰陽七つ星(いんようななつぼし)

八曜(はちよう)
八つ星(やつぼし)

八曜に月(はちようにつき)
八つ星に月(やつぼしにつき)

角八曜(かくはちよう)

九曜くよう

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細川九曜(ほそかわくよう)

石持地抜九曜(こくもちじぬきくよう)

丸に九曜(まるにくよう)

割九曜わりくよう

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結び九曜(むすびくよう)

九曜巴紋

蛇の目九曜じゃのめくよう

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角九曜(かくくよう)

抜け九曜ぬけくようもん

詳細はこちら

九曜菱(くようびし)
菱九曜(ひしくよう)

十曜(じゅうよう)

十一曜(じゅういちよう)

月に星(つきにほし)

月に北斗星(つきにほしほくとせい)

真向き月に星

星付き鍬形

丸に星片喰

五角井筒に星

星付き分銅ほしつきふんどう

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星付き七宝

三つ盛り亀甲に三つ星

星付き七宝に花角

総陰の熨斗輪に三つ星

総陰星付き七宝に花菱

月に三つ星

月に星

真向き月に星

三光紋

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[静岡県西伊豆町] 神明神社(浮島)

社名神明神社
所在地
神明神社

静岡県賀茂郡西伊豆町仁科三〇三五番地の一(浮島)
旧表記:仁科村濱字富洞(南豆風土誌新南豆風土誌
社格延喜式内(布刀主若玉命神社:比定)
無格社
御祭神布刀主若玉命(南豆風土誌新南豆風土誌西伊豆町誌 資料第一集 神社・寺院並びに棟札編による)
布刀若玉比売命(村社加列願 による)
布刀主若玉姫命
神紋
摂末社
情報源南豆風土誌
新南豆風土誌
西伊豆町誌 資料第一集 神社・寺院並びに棟札編
訪問記訪問日: 2017/05/05

以前より、「浮島(ふとう)には神社がある。」という情報は得ていて、一度、詣でてみたいと思って早6年。
何度も浮島海岸には行っているが、一度も社の様なものは見かけたことがなく、正直、いったいどこにあるのだろうという状況であった。
玄松子の記憶さんのところに神明神社とあり訪問ん記録が記載されている。
その後、むく犬のブログさんの【無狛犬】西伊豆町浮島 浮島神社のエントリーなども発見。
やはり、この小さな浮島エリアのどこかに潜んでいるんだろうなぁ。

ムズムズと考えながら情報を検索するも、これ以上の情報もなし。
結論。やはり足で稼ぐしかなかろう。

「しおさいの湯」に行った際に、番頭をしていた初老の男性に神社の事を聞くことからスタート。
地元の人ならと期待を込めたが、「神社なんて聞いたことがないな。俺は田子の人間だから良く知らない。」と…田子、山を挟んで隣のエリア。
やはりそのくらいの距離の人ですら知らないのであれば、どうにもならんなぁ。と思いつつ、もうやけになって路地を歩きだす。

結局、場所は分かった。
「しおさいの湯」を背に真ん前の山裾である。

大屋荘の脇の路地を入り、大屋荘の真裏にある道を浜に下る。
道と言っても自転車が精一杯の「路地」。
ゼンリンの住宅地図でも見れば乗っているんだろうけれど、普段使っているネット上の地図には道の存在すら記載されないレベル。
下りながら山を覗くと、これまた細い路地の先に鳥居が見える。
ようやく発見である。

ちょろちょろと水の流れる小川を超え、境内へ。
石積の上に社殿。
社殿は大きくはないがきれいに整えられており、信仰が続いているのがわかる。

延喜式内の布刀主若玉命神社に比定される古社。
観光資源にでもなりそうな気もするんだが、そこは、観光のメインストリートではなく、生活のメインストリートを通り、さらに地域住民に近い路地の奥。やはり地域としてはそっとしておいてほしい領域なのかもしれません。

御朱印
由緒書西伊豆町誌 資料第一集 神社・寺院並びに棟札編

神明神社(延喜式内・無格社)

西伊豆町仁科三〇三五番地の一(浮島)

祭神 布刀主若玉命

環境

旧国道「浮島」のバス停から小さな谷川に沿って四〇
〇メートル余り下り、民宿の角を右に折れると間もなく
小さな鳥居が見える。
ここが旧式内社「神明神社」である。社の前には、先
程の谷川が流れている。幅二メートル程の川には以前船
板がかけてあったが、現在はコンクリート造りの小さな
太鼓橋に替っていた。不思議なことに、ここの川底だけ
が岩盤で、一か所深く抉られたところがある。前にはこ
の淵で、よくウナギが捕れたという。
橋を渡った左側の袂に、直径二〇センチメートルくら
いのウバメガシがある。幹の片面に長く大きな傷跡が残
っている。これは明治の火事の名残である。
『増訂豆州志稿』に「祠域狭隘極テ衰頽ニ属ス」とあ
るように、今も小さな社であるが、かつては式内社であっ
た。この辺りを昔から御庵と呼び、五輪さんの伝説やま
た瓶棺の出土などを考え合わせると、改めてこの土地の
歴史のロマンを感じさせる。縁起
創立年月は不詳である。『延喜式神名帳』に「布刀主若
玉姫神社」とある式内社である。また『伊豆国神階帳』に
「従四位上二浦谷玉姫ノ明神」とあるが当社に当てられる。
ただし『増訂豆州志稿』や『大日本史神祇志」に「谷
は若の誤字」であるとされる。
祭神の「布刀主若玉命」は、神話の「天岩屋物語(後
記)』に出てくる姫神である。
また鎮座地の浮島の地名は祭神の布刀、二浦から富戸、
富洞から現在の浮島となったものである。また、この付
近の小字が御庵となっていることなどを考えると、この
神社との古いつながりを感じさせる。
神社の神明は姫神を神明と尊称することが多いという
ことから土地の人は昔から「神明さん」と呼び親しんで
きたものである。明治十六年五月の村社加列願いには
式社「富洞神社」とあるが、これは格式を高めるためと
思われる。同十九年の古社寺調には、無格社「神明社」
となっている。
なお昭和二十八年の『神社明細帳』には「神明神社」
として登録された。
明治十九年の調書に「此処ハ人家只六七軒ニシテ祠モ
甚小ナレトモ相伝ヘテ式社ト云極メテ古祠ナル由」とあ
るように古くから、式内社と伝えられ尊崇されていた社
である。また棟札写しとして「奉再建神明宮慶長十三年
(一六〇八)正月再建願主氏子中」とあるが、この棟札
は現存しない。
明治二十八年五月古社寺調に「今ハ社域狭隘ニシテ唯
小祠ヲ存スル耳ミ、再三海嘯ノ為、流レテ旧記ヲ失フト
云フ」とあるように記録はほとんど残されていない。
当社の社格は無格社とあるがこれは、明治四年以降の
神社規則による国が所管する官幣、国幣の大中小の官社
と府県社・郷社・村社・無格社の社格をいう。無格社を
社格なしと考えるのは間違いで無格社も「無格社」とい
う社格である。ただしこれは昭和二十一年廃止された。

由緒書村社加列願

伊豆国那賀郡浜村字浮島

式内 富洞神社

一、祭神 布刀若玉比売命
一、由緒 延喜式神名帳ニ載スル処ノ官社ニシテ其証ハ
去ル明治五年旧韮山県ニ於テ編相成候伊豆国
式社考証又同八年旧足柄県ニ於テ編進相成候
伊豆国式社未定神社考証書又其後旧教部省ニ
於テ編纂相成候纂定神名■等ニ判然記載有之

一、社殿間数 間口壱間半 奥行壱間
一、境内反別 三畝十歩
一、氏子戸数 三百四十三戸
右者由緒ノ通リ式内ニシテ村民信仰ニ因リ従来修
理維持罷在候処社格未定ニ付今般更ニ村社加列願
上弥増尊信仕度人民協議ノ上鹿絵図相添情願仕候
間御聞届被下候様奉願上候也
那賀郡浜村佐波神社祠官 間野斎宮
同村氏子惣代      山本良吉
同           加藤兼吉
明治十六年五月